
2024年10月作成 ENB46O001A
日常生活の注意点
監修:森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 看護学専攻 教授
冨田 哲也 先生
一般的に関節リウマチの方が運動を行うと、関節の動きがよくなる、筋力が強くなる、痛みが軽減するといわれています1)。また、活動的な日常生活を送るためにも意識的に体操や運動をすることは重要です。医師の指導のもと適切に行いましょう。
関節痛が発生すると、筋肉が硬くなり関節の動きが制限されてしまいます。また、関節の痛みをやわらげようとして関節を曲げた姿勢をとることが多くなり、次第にまっすぐ関節を伸ばすことが難しくなるといわれています。痛みの軽減や、変形予防、リハビリのために、日々の生活の中で適度な運動を続けていきましょう。
関節や身体を動かすことは、関節が動かしにくくなることを予防する、動かしやすくするために重要ですが、体調のすぐれない日にも無理やり運動をすることはよくありません。その日の体調や関節の状態に合わせて、内容や時間を調節しましょう。体調のすぐれない日には、無理をせずゆっくり休むことも大切です。
1日1回は全ての関節を動かすことが、関節リウマチの発症予防や進行を防ぐために望ましいとされています。ただし痛みがあるのに無理をして動かすと、関節に負担がかかり症状が悪くなってしまうこともありますので、「無理なく動かせる範囲」で行いましょう。
関節の状態は人それぞれなので、ここまで動かす、という決まりはありませんが、今動かせる範囲をしっかり動かしましょう。
痛みや腫れがあるときに、無理をして動かすと、炎症が悪化するもとになり関節によくありません。痛みがおさまってから動かしましょう。
頑張りすぎて疲れや痛みがでてしまうと、かえって関節に負担をかけてしまいます。疲れをためない程度に、毎日続けることを目標にしましょう。
関節の動かし方について、いくつかご紹介します。
手を握ったり開いたりします。
次に、指を揃えたり離したりします(どちらも、できる範囲でかまいません)。
足に変形がみられない場合には、足の指を1つずつつかみ、ゆっくりと伸ばしたり曲げたりします。次に、指をゆっくりと広げます。変形がみられる場合には、本来動くはずの方向へとゆっくり動かします。
椅子に座って、ゆっくり膝を交互に伸ばします。膝を伸ばしたときに上半身が倒れないよう、椅子の座面などを手でつかんで行います。
簡単な体操を、作業療法士、理学療法士が教えてくれる病院等もありますので、相談してみてください。
痛みがないときには、医師との相談の上、スポーツを楽しむことができます。それでも、やはり無理はせず、次に挙げる注意点を守って楽しんでください。
特に、水中ウォーキングは浮力が働くため、関節にかかる負担が小さくなり、おすすめの運動です。また、特別な運動でなくても、歩いたり家事をしたりすることも立派な全身運動になります。
できる範囲で身体を動かし、楽しむことが大切です。
2024年10月作成 ENB46O001A