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2024年10月作成 ENB46O001A
指の「こわばり」は、関節リウマチの患者さんがはじめに、特に寝起きに自覚することが多いとされている症状です。しかし、指のこわばり=関節リウマチとは限りません。
「こわばり」と関節リウマチとの関係についてみていきましょう。
指を動かそうとして、なんとなく動かしにくく、動かしているうちにだんだん楽になるということはありませんか。指だけでなく、手首や、足首、肩、膝などの関節でこのような動かしにくさを感じる方もいるかもしれません。このように関節の動かし始めがスムーズにいかない、ぎこちなさのことをよく「こわばり」と表現します。
関節リウマチの患者さんでは、朝、起きたときに最も強くこの関節の動かしにくさを感じることが多く、「朝のこわばり」と呼ばれます。また、「こわばり」は朝だけでなく、昼寝や座っていたなど長時間関節を動かさずにいた後にもみられることがあります。
「こわばり」の原因の1つに、関節リウマチで最初に起こるとされている、関節を包む膜(滑膜)の炎症が関わっています。関節リウマチでは、本来は外敵を排除するはずの免疫細胞が誤って自分自身の細胞や組織を攻撃し、滑膜に炎症が起こります。炎症が起こった滑膜は厚くなり、滑膜の内側(関節腔内)の水分量が増すことで、関節の腫れと痛みが起こります。この関節腔内に溜まった水分は、関節を動かすと一時的に減りますが、動かさないとさらに関節腔内に溜まり、関節の炎症を起こし「こわばり」の症状があらわれます。「こわばり」は、さまざまな理由で起こりますが、関節リウマチが原因で起こる「こわばり」は、やわらぐまでに1時間かそれ以上かかるといわれています。
関節リウマチでは、右手の指の関節にこわばりや腫れ、痛みの症状が出ると、左手の指の同じ関節にも症状が認められることが多くあります。このように、症状が「左右対称」にあらわれることが関節リウマチの特徴とされています。しかし、人によっては片側だけの指の痛みでも関節リウマチと診断される場合もありますので、気になる症状がある場合には医師に相談してみましょう。
起床時の指のこわばりが続く、関節が腫れて痛むなど気になる症状がある場合には、医師に相談してみましょう。まずは、かかりつけのお医者さんに相談するか、リウマチ科、膠原病科や整形外科を受診するのがよいでしょう。また、起床時や長時間座っていた後に「こわばり」を感じた際には、あせらず、ゆっくりと少しずつ身体を動かしていきましょう。あらかじめ長袖や長ズボンを着ることで関節の冷えを予防するのもよいでしょう。少しずつ「こわばり」がやわらいできたら、軽いストレッチや、温かいシャワーを浴びることで、関節が動かしやすくなることがあります。医師の指導のもと行いましょう。
関節リウマチが原因で「こわばり」の症状がでている場合、病気が進行すると関節の痛みを伴う変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなります。しかし、関節リウマチは、早期に発見し適切な治療をすることで、よい状態の関節を保つことができるようになってきています。「朝のこわばり」は関節リウマチの症状の中で初期から自分で感じることができる症状です1)。身体からのサインに気がついたら、すぐに医師に相談してみましょう。
2024年10月作成 ENB46O001A