日常生活の注意点

関節を守る工夫

監修:国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学
准教授
 冨田 哲也 先生

私たちは日常生活のいたるところで関節を動かしています。その関節のよい状態を長く保つため、関節の痛みを減らすためにできることがあります。日常生活の中で自然と自分の身体を大切にできるようになりましょう。

服装

関節痛は、冷えると強くなることが多いです。寒い季節はもとより、夏も冷房の風が直接あたるのを避けて、長袖や長ズボン、ブランケットなどで関節が冷えないように気をつけましょう。特に、夏の外出の際は、屋内の冷房が強く感じられることもありますので、上着を1枚持つようにするとよいでしょう。
また、ひじや膝などの関節が締め付けられる服は関節の負担になることがあるので気をつけてください。

靴の選び方

自分の足に合った靴を履くことは、歩きやすさだけでなく、転倒防止の面でも重要です。
靴を選ぶ際には下記に気をつけましょう1)

  • ・つま先部分に縫い目がない
  • ・つま先部分の高さに余裕があり、圧迫されていない
  • ・足に適したサイズである
  • ・ヒールが高すぎない
  • ・くるぶしやかかとがあたっていない
  • ・マジックテープやひもで締め方を調節できる
  • ・マジックテープやひもで締めていないときに、かかとと甲で足にフィットする

このほかにも、靴の中敷きや足底板という道具があり、足裏に凸凹をつけることで、足の変形を遅らせることや、痛みを軽減する効果が期待できます2)。これには医師の処方が必要なため、医療機関で相談してみましょう。

正しい姿勢を心がける

今、どのような姿勢で画面を見ていますか。「姿勢を正す」ということは、病気に関係なくよいこととされていますが、関節リウマチでは、関節への負担を最小限にするためにとても大切です。
椅子や机は身体に合ったものを使い、背筋を伸ばした正しい姿勢で過ごせるように心がけましょう3)。また、同じ姿勢が続くと、部分的に血行が悪くなり、首、肩、腰などに疲労や痛みを感じるようになるので、定期的に立ったり動かしたりして同じ関節への負担が長時間続かないように気をつけましょう。

荷物の持ち方

日常生活の中で、荷物を持つということは必ず起こります。コップを持つことも同様です。
荷物を持つときには下記のことに気をつけましょう。

  • ・ゆっくりと持ち上げる
  • ・指先など、手の一部で持たない

バッグを持つときには、肩や腕にかけ、手先で持たないようにします。肩かけのひもは斜めにかけると、身体とバッグの重心が近づくため楽に持てます。
重いものを持つと関節に負担がかかります。重いものを持つときは、身体を荷物に近づけ自分の重心を物体の中心に近づけます。そして腰は曲げずに、大きな筋肉を使うようにして持ち上げます。重いものはできるだけ、分散して少しずつ運びましょう。

ヘルプマークを身につける

ヘルプマークは赤地に白色で十字とハートが描かれたマークです。外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方にそのことを知らせることで、援助を得やすくなるように作られました。このマークは、東京都が作成し、電車やバスの優先席などに標示されています。平成30年6月現在、20を超える都道府県で採用され、案内図記号にも追加されました。福祉保健局や駅などで交付されていますのでご相談ください。またヘルプマーク以外にも、ヘルプカードや独自の支援を行う地域もあります。

東京都福祉保健局:ヘルプマーク
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html

  • 1)岡田 佳奈:“第3章 7 靴の選び方” 最新知識と事例がいっぱいリウマチケア入門 神崎 初美ほか編 1 メディカ出版:162, 2017
  • 2)勝呂 徹:“第2章 患者さんの状況別 関節リウマチの治療とケア” ナースが話せる!患者がわかる!関節リウマチの治療とケア 1 メディカ出版:33, 2009
  • 3)小林 廣美:“第2章 患者さんと歩むリウマチ看護” あなたと共に歩むリウマチ看護 中央法規:21, 2013

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