家庭や学校のお話

家庭や学校での注意点

監修:鹿児島大学 名誉教授
 武井 修治先生

成人の関節リウマチは一般的に難治性ですが、若年性特発性関節炎はタイプによって違いはあるものの、完治を望める病気です。完治を目指して、長期間にわたり治療を続ける上で大切なことは、病気や治療への理解はもとより、心身の発達段階にあるお子さんの成長を、家庭や学校で温かく見守っていただくことです。

家庭では…

日常生活のなかで注意したいのは、第一に"関節を守る"ということです。肥満は関節に負荷がかかるため、食事指導が重要です。特にステロイドの服用中は過食による体重増加には常に注意し、栄養士のアドバイスなどは積極的に取り入れましょう。
手の関節に症状があるときに重いものを持ったり、膝の関節に症状があるときにしゃがんだり正座をさせたりしてはいけません。関節になるべく負担がかからないような動作や工夫を心がけるよう、普段からお子さんとよく話し合っておきましょう。
痛みやだるさは1日のうちでも起床時や午前中に強く、天候や気温によっても変わります。「病気なんだからあたりまえ」と我慢させることなく、調子の悪いときには無理をせず休ませることが必要です。

家庭での理解とサポート

学校では…

学校の先生に、若年性特発性関節炎がどんな病気なのかをよく理解してもらえるよう十分に説明しておくことが大切です。この病気のために学校でできること・できないこと、サポートが必要なことなどを具体的に伝えておくとよいでしょう。体育や学校行事の参加に関しては、前もって主治医に相談してください。
痛みやだるさは見た目ではわかりませんし、午前中に症状が強くてもお昼ごろには元気を回復することもあります。したがって、午前中の様子から、怠け者などと友達から誤解されてしまうことがあるかもしれません。友達にも病気のことを説明し、協力してもらいながら楽しい学校生活が送れるように働きかけましょう。

学校での理解とサポート

2022年10月作成 ENB46M014A