診察や検査のお話

診察や検査について

監修:鹿児島大学 名誉教授
 武井 修治先生

若年性特発性関節炎が疑われたら…

関節炎の状態を把握するために、診察時には次のような質問がされます。

  1. 1. 朝、起床直後の様子
  2. 2. 朝、起床時の関節の痛みの程度
  3. 3. 朝のこわばりの有無や持続時間
    (乳幼児の場合、目を覚ましてから活動を始めるまでの時間)
医師による診察・検査

実際に医師が関節に触れて、痛みや腫れのある場所を確認します。
血液検査など詳しい検査を行います。

詳しい検査を行い、分類基準に当てはまる場合に、それぞれのタイプの若年性特発性関節炎として診断されることになります。

医師による診察・検査

若年性特発性関節炎(全身型・少関節炎・多関節炎)の分類基準

全身型

1ヵ所以上の関節炎があり、少なくとも2週間続く発熱(そのうち3日間は連続する)があり、次の徴候のうち1つ以上をともなう。

  1. 1. 暫時の紅斑(赤い発疹がしばらく続く)
  2. 2. 全身のリンパ節腫脹(全身のリンパ節の腫れ)
  3. 3. 肝腫大または脾腫大(肝臓または脾臓が腫れて大きくなった状態)
  4. 4. 漿膜炎[しょうまくえん](肺や心臓など内臓を覆う薄い膜の炎症)

少関節炎

発症6ヵ月以内に炎症がある関節が1〜4ヵ所に限られる関節炎。
発症6ヵ月以降の経過により、次の2つに分けられる。

  1. 1. 持続型:全経過を通して4ヵ所以下の関節炎
  2. 2. 進展型:発症6ヵ月以降、5ヵ所以上に関節炎がみられる

リウマトイド因子陰性多関節炎

発症から6ヵ月以内に炎症がある関節が5ヵ所以上にあり、リウマトイド因子が陰性。

リウマトイド因子陽性多関節炎

発症から6ヵ月以内に炎症がある関節が5ヵ所以上にあり、リウマトイド因子が3ヵ月以上の間隔で測定して2回以上陽性。

2022年10月作成 ENB46M014A