関節リウマチを疑う、気になる症状

リウマチは遺伝? 予防できるの?

監修:筑波大学 医学医療系内科
(膠原病・リウマチ・アレルギー)講師
 坪井 洋人 先生

どうして関節リウマチになってしまったのかな。お母さんが関節リウマチだと、私も将来なるのかな。子どもを産んだら関節リウマチになってしまうのかな。このような不安を抱えている人も多くいると思います。関節リウマチの原因と予防方法についてみていきましょう。

祖父母や父母が関節リウマチの場合、遺伝する?

関節リウマチは、本来、外敵から自分を守るために働く免疫が自分自身を攻撃してしまうことで、関節症状をはじめとしたさまざまな症状があらわれます。その発症原因はまだ明らかになっていませんが、いくつかの遺伝的要素が重なり、さらにそこにウイルス感染、ストレス、喫煙などの環境による刺激が加わることで発症すると考えられています1)。祖父母や父母が関節リウマチだからといって必ず遺伝するというわけではありません。

関節リウマチに予防方法はあるの?

関節リウマチの原因はいまだ不明のため、発症を完全に予防することはできませんが、発症を早期発見し、適切な治療を行えば症状が進むのを遅らせることができます2)。また最近の研究結果から、歯周病と喫煙が関節リウマチの発症と関連することが明らかになってきました。定期的な口腔ケアと禁煙は、健康状態の維持だけでなく、関節リウマチ発症の抑制の観点からも重要と考えられるようになりました。

症状の進行を遅らせるためにできること

以前、関節リウマチは発症後10年以上経過してから関節が壊れていくと考えられていました。しかし近年、発症から2年以内に最も急速に症状が進行することがわかってきました。現在はこの期間が関節リウマチの進行を遅らせるために非常に重要な時期と考えられています。この時期に治療を行った患者さんには、寛解といって症状がほぼなくなった状態までに至った方も多くいます。
治療はできるだけ早い時期から始めて、腫れや痛みを抑えるだけでなく、よい状態の関節を保つことが重要です。
関節リウマチという病気に関する情報も、治療選択肢も増えてきている現在では、昔に比べて早期に関節リウマチを発見し、多くの選択肢から自分に合った治療を医師とともに相談することが可能になっています。ご自身やご家族で、関節のこわばりや痛みなど気になる症状があることに気がついたら、まずは医師に相談してみましょう。

治療目標を考えよう

関節リウマチは、原因が不明なこともあり、完治(完全に病気が治ること)は難しいとされています。しかし、適切な治療により、寛解(ほとんど症状がない状態)を維持することで、日常生活への影響を最小限にとどめることができるようになってきています。
最近では、患者さんと医師が同じ目標に向かい、その達成を目指すという「Treat to Target3)」という考えが関節リウマチ治療では広まってきています。ご自身の治療目標について「Treat to Target」の4つの基本的な考え方に沿ってかかりつけの医師と一緒に考えることで、治療の進め方を理解し、不安なく関節リウマチに向き合えるため、治療の継続につながりよりよい治療結果が得られます。

Treat to Targetの基本的な考え方3)

  • ・関節リウマチの治療は、患者さんと医師がともに決めるべきです。
  • ・最も重要な治療ゴールは、長期にわたって生活の質(QOL)をよい状態に保つことです。
  • ・治療ゴールを達成するために最も重要な方法は、関節の炎症を止めることです。
  • ・明確な目標に向けて疾患活動性をコントロールする治療は、関節リウマチに最もよい結果をもたらします。それは、疾患活動性をチェックし、目標が達成されない場合に治療を見直すことによって可能となります。

「関節リウマチかもしれない」と思ったら

「関節リウマチかもしれない」と思ったら、お医者さんに相談してみましょう。関節リウマチの診察では、まず問診(医師による質問)と関節の腫れや痛みなどの診察を行い、症状を確認します。関節リウマチと診断された場合でも、現在は、飲み薬、注射薬など、患者さんのライフスタイルに合わせて多くの治療法が選べます。関節リウマチは病気を早く発見し、早く治療を開始するほど、より高い効果が得られることがわかっています。また、発症してかなりの期間が経過した患者さんでも、適正な治療を行うことで症状を抑えることが期待できます。

関節リウマチ以外にも、変形性関節症や痛風など関節に痛みや炎症をひきおこす病気はたくさんあります。ほかの病気との区別が難しいことも多く、関節リウマチの診断には診察や検査などによる医師の総合的判断が必要なため、気になることや疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。気になる症状がある場合は、まずは、かかりつけのお医者さんに相談するか、リウマチ科、膠原病科や整形外科を受診するのがよいでしょう。お近くの医療機関を探される場合は、当ホームページ内の「相談できる病院検索」をご活用ください。

  • 1)髙崎 芳成:“第1章 患者さんに説明したい 関節リウマチの病態生理と治療法” ナースが話せる!患者がわかる!関節リウマチの治療とケア 勝呂 徹監修 1 メディカ出版:8, 2009
  • 2)川人 豊:“関節リウマチと自己免疫疾患” 薬がみえる vol.2 医療情報科学研究所編 1 メディックメディア:348, 2015
  • 3)竹内 勤:リウマチ科 46(3):297, 2011

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