関節リウマチを知る

関節リウマチの主な症状と進行速度

監修:大阪警察病院 院長
 越智 隆弘 先生

関節の腫れと痛み

関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れや痛み」で、左右対称に出ることが多いようです。
朝起きたとき、手足がこわばって動かしづらくなったりもします。
また、だるくなったり疲れやすくなったりと、関節以外に症状が出ることもあります。

長い経過を観察して、関節リウマチは発症から2年以内に最も急速に症状が進むとわかってきました。
できるだけ早く発見してすぐに治療を始めることが、重症化を抑えて運動機能を保つ上で非常に重要です。

関節リウマチの主な症状 関節の痛みや腫れ だるい・疲れやすい こわばり

関節リウマチの症状の進行速度

(昔からの抗リウマチ薬しか使えなかった患者さんの場合)

症状の進行スピードの調査結果

この図は、昔からの抗リウマチ薬しか使えなかった時代に、全身に68個ある関節が、関節リウマチになって月日が経過するとともにどれだけ破壊されたかを15年間にわたって調査した結果です。
横軸が発症してからの年数(罹病[りびょう]年数)、縦軸が破壊された関節の数を表します。

この図では、線の太さが患者さん全体の人数に対するそれぞれの割合を表すので、線が太いほど該当する人数が多いことになります。
どのグループに当てはまるかは、それぞれの患者さんの関節の症状から判断できます。

関節リウマチの経過は人により異なりますが、患者さんの約70%は、軽症のまま経過します(上図の③「あまり進行しない」タイプ)。
この場合は、関節の破壊の進行が比較的ゆっくりで、手や足の指などの小さな関節はいろいろな変形や障害を受けますが、膝や股関節などの大きな関節ではほとんど進行が見られません。
手や足の指などに関節破壊が広がるのは通常5年までで、それ以後は破壊された関節の数にはあまり変化がなく、15年経っても10ヵ所以上侵される患者さんは少数です。
つまり、このタイプの患者さんの多くはそれほど大きな機能障害が起こらないので、関節リウマチのために手術することも少ないと思います。
家庭でも、職場でも、手術を考えなくても日常生活に大きな支障はでないと考えられます。
よく見れば、それまでに起きた変形を残していますが、炎症も次第におさまって通常の生活ができています。

残りの約30%の患者さんには、長年にわたって徐々に病気が進行して、全身の関節が破壊されていくケース(上図の②「徐々に進行する」タイプ)と、急速に進行して多くの関節が破壊されるケース(上図の①「急速に進行する」タイプ)があります。
関節が破壊されて痛いときに、抑えられる度合いを超えて痛み止めで抑えようとすると、胃潰瘍などの副作用が起きることがあります。
このような場合には、適切なタイミングで手術をして痛みをやわらげ、歩いたり、手を使ったりといった関節の機能を保っておくことが必要な場合もあります。

近年のリウマチ治療薬の進歩により、全身の関節が破壊されてゆく状態を抑えることが出来るようになりました。そして関節リウマチによって破壊された膝や股関節を手術しなければ歩けないケースは減りました。これはリウマチ治療の歴史から考えても画期的なことです。

いずれにしても、関節リウマチをできるだけ早く発見して早くから治療を始めることが、重症化を抑え運動機能を保つ上で非常に重要です。

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