治療をはじめる

リハビリテーション

監修:行岡病院 骨関節センター長
 越智 隆弘先生

リハビリテーションとは?

リハビリテーションは、関節の運動性を改善させ、社会生活が送れるようにするために行います。主なリハビリテーションとして、運動療法や、温熱療法があります。

お薬には痛みや炎症をとる効果が期待できますが、関節を動かさないでいると、関節が硬くこわばってしまうことがあります。リハビリテーションは、筋力の向上のためと、骨や関節が壊れて変形し、動かなくなった関節の動きを理学療法士や作業療法士などの専門家の手助けのもと、少しずつ関節の動く範囲を広げて社会生活や日常生活が送れるようにするために行われます。手指の細かい運動などの回復治療は作業療法士によって専門的に行われます。毎日繰り返し長く行えば、関節の機能障害が抑えられ、痛みもやわらいでいきます。自宅でできる簡単なリハビリテーションの紹介します。

運動療法

エクササイズには、末梢の血液の流れをよくし、痛みをやわらげ、筋肉のこわばりをとる効果があります。

まず毎日、関節が硬くなってしまうのを防ぐために、家庭でしていただきたい運動療法としての「エクササイズ」があります。エクササイズは、自分の調子がよいときに無理をしない程度に身体を動かすのがポイントです。また、適度に体を動かせばストレスが減りますし、全身の運動は免疫力を高めます。 気の向くまま散歩するのも結構ですし、プールで歩くのもよいことです。歩いていて脚が弱ってきたと感じたら大腿四頭筋の訓練を、手指の力が弱ってきたと感じたら、やわらかいボールや粘土を使って指先のエクササイズを続けてください。

温熱療法

腫れや痛みが強い関節を温めることで、痛みやこわばりをやわらげます。

[痛む膝を温めるとき]①ゴム湯たんぽに6分目くらい70℃前後のお湯を入れます。②心地よい温かさと感じる程度にタオルで覆います。③膝を少し曲げて温める目的で、膝の下にタオルを巻いたもの(または小さな枕)を入れます。④膝の上に②の湯たんぽをあてます。毎日15~20分、できれば朝夕行います。※手や足が痛むときには、温かいお湯の入ったバケツが洗面器のなかで、ゆっくりと手足を動かしながら温めます。(毎日15~20分、できれば朝夕行ってください。)温めることで、局所の不快感が生じた場合は中止してください。温める時間が長すぎるとやけどを起こすことがありますので注意してください。
[痛む膝を温めるとき]①ゴム湯たんぽに6分目くらい70℃前後のお湯を入れます。②心地よい温かさと感じる程度にタオルで覆います。③膝を少し曲げて温める目的で、膝の下にタオルを巻いたもの(または小さな枕)を入れます。④膝の上に②の湯たんぽをあてます。毎日15~20分、できれば朝夕行います。※手や足が痛むときには、温かいお湯の入ったバケツが洗面器のなかで、ゆっくりと手足を動かしながら温めます。(毎日15~20分、できれば朝夕行ってください。)温めることで、局所の不快感が生じた場合は中止してください。温める時間が長すぎるとやけどを起こすことがありますので注意してください。拡大する

在宅療法とリハビリテーション

通院が困難な患者さんや、症状が安定している患者さんの場合は、在宅でのリハビリテーションが勧められます。

リハビリテーションは、手足の運動機能を保ち向上させる目的で欠かせませんが、在宅で行うことで、患者さんのQOL(生活の質)をより向上させることができます。リハビリテーションの主なポイントは、(1)毎日根気よく続けること、(2)過度にならないようにすること、(3)自主的に行うこと、などです。医師をはじめ、看護師、理学療法士、作業療法士によく相談し、指導してもらいましょう。1人で行うのが困難な場合は保険制度が活用できます。介護保険を利用すれば、訪問介護、通所リハビリテーション(デイケア)、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導などが受けられます。