関節リウマチを疑う、気になる症状

指の「こわばり」は関節リウマチ?

監修:筑波大学 医学医療系内科
(膠原病・リウマチ・アレルギー)講師
 坪井 洋人 先生

指の「こわばり」は、関節リウマチの患者さんがはじめに、特に寝起きに自覚することが多いとされている症状です。しかし、指のこわばり=関節リウマチとは限りません。
「こわばり」と関節リウマチとの関係についてみていきましょう。

寝起きに多い? 手指の「こわばり」とは1)

指を動かそうとして、なんとなく動かしにくく、動かしているうちにだんだん楽になるということはありませんか。指だけでなく、手首や、足首、肩、膝などの関節でこのような動かしにくさを感じる方もいるかもしれません。このように関節の動かし始めがスムーズにいかない、ぎこちなさのことをよく「こわばり」と表現します。

関節リウマチの患者さんでは、朝、起きたときに最も強くこの関節の動かしにくさを感じることが多く、「朝のこわばり」と呼ばれます。また、「こわばり」は朝だけでなく、昼寝や座っていたなど長時間関節を動かさずにいた後にもみられることがあります。

「こわばり」の原因は2)

「こわばり」の原因の1つに、関節リウマチで最初に起こるとされている、関節を包む膜(滑膜)の炎症が関わっています。関節リウマチでは、本来は外敵を排除するはずの免疫細胞が誤って自分自身の細胞や組織を攻撃し、滑膜に炎症が起こります。炎症が起こった滑膜は厚くなり、滑膜の内側(関節腔内)の水分量が増すことで、関節の腫れと痛みが起こります。この関節腔内に溜まった水分は、関節を動かすと一時的に減りますが、動かさないとさらに関節腔内に溜まり、関節の炎症を起こし「こわばり」の症状があらわれます。「こわばり」は、さまざまな理由で起こりますが、関節リウマチが原因で起こる「こわばり」は、やわらぐまでに1時間かそれ以上かかるといわれています。

腫れや痛みがでるのは、片側だけ? 両側?

関節リウマチでは、右手の指の関節にこわばりや腫れ、痛みの症状が出ると、左手の指の同じ関節にも症状が認められることが多くあります。このように、症状が「左右対称」にあらわれることが関節リウマチの特徴とされています。しかし、人によっては片側だけの指の痛みでも関節リウマチと診断される場合もありますので、気になる症状がある場合には医師に相談してみましょう。

「こわばり」を感じたら何科を受診? 自分でできることは?

起床時の指のこわばりが続く、関節が腫れて痛むなど気になる症状がある場合には、医師に相談してみましょう。まずは、かかりつけのお医者さんに相談するか、リウマチ科、膠原病科や整形外科を受診するのがよいでしょう。また、起床時や長時間座っていた後に「こわばり」を感じた際には、あせらず、ゆっくりと少しずつ身体を動かしていきましょう。あらかじめ長袖や長ズボンを着ることで関節の冷えを予防するのもよいでしょう。少しずつ「こわばり」がやわらいできたら、軽いストレッチや、温かいシャワーを浴びることで、関節が動かしやすくなることがあります。洗面器にお湯を入れて「こわばり」を感じる手や足を温める部分浴であれば、比較的簡単に行えるのではないのでしょうか。

「こわばり」を放っておくとどうなるの?

関節リウマチが原因で「こわばり」の症状がでている場合、病気が進行すると関節の骨や関節のクッションの役割をする軟骨が破壊されて痛みを伴う変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなります。変形してしまった関節は残念ながら元に戻ることはありません。しかし、関節リウマチは、早期に発見し適切な治療をすることで、よい状態の関節を保つことができるようになってきています。「朝のこわばり」は関節リウマチの症状の中で初期から自分で感じることができる症状です1)。身体からのサインに気がついたら、すぐに医師に相談してみましょう。

「関節リウマチかもしれない」と思ったら

「関節リウマチかもしれない」と思ったら、お医者さんに相談してみましょう。関節リウマチの診察では、まず問診(医師による質問)と関節の腫れや痛みなどの診察を行い、症状を確認します。関節リウマチと診断された場合でも、現在は、飲み薬、注射薬など、患者さんのライフスタイルに合わせて多くの治療法が選べます。関節リウマチは病気を早く発見し、早く治療を開始するほど、より高い効果が得られることがわかっています。また、発症してかなりの期間が経過した患者さんでも、適正な治療を行うことで症状を抑えることが期待できます。

関節リウマチ以外にも、変形性関節症や痛風など関節に痛みや炎症をひきおこす病気はたくさんあります。ほかの病気との区別が難しいことも多く、関節リウマチの診断には診察や検査などによる医師の総合的判断が必要なため、気になることや疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。気になる症状がある場合は、まずは、かかりつけのお医者さんに相談するか、リウマチ科、膠原病科や整形外科を受診するのがよいでしょう。お近くの医療機関を探される場合は、当ホームページ内の「相談できる病院検索」をご活用ください。

  • 1)小林 廣美:“第1章 関節リウマチの基礎知識” あなたと共に歩むリウマチ看護 中央法規:1, 2013
  • 2)三村 俊英:“関節リウマチ(RA)” 病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症 医療情報科学研究所編 1 メディックメディア:52, 2012

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